マロンの冒険

友人の命日です。

365日のうち明日だけは、毎年、彼のためだけに飲むことにしています。

彼がなくなったことを知った時に書いた文章が出てきました。

供養に代えて。



クリスマスの夜

ある目的のために引き合わされた人が、既にこの世を去っていたことを知らされた。最初は反発し、ぶつかりながらも、気がついたら一緒に汗を流し、互いに悩み、憤り、共に喜ぶ戦友になっていた人だった。

煮詰まったときの表情、たどたどしい喋り方、挙動不審なほどあたふた落ち着かない立ち居振る舞い、不器用な褒め言葉、精一杯の感謝の言葉、お金もないのに二人分のお茶代を毎回払おうとしたこと、ノーといえない私の分まで悪役を肩代わりし続けてくれたこと、、彼の記憶がどんどん蘇ってきて、全部が涙に変わる。

最後に会ったのはうだるような暑い夏の日だった。

ふたたび夢に向かって歩きはじめたあなたに何があったのかわからない。死を決意するまでの間、決意してから死ぬまでの間、どんな思いが言葉が胸を去来したのか。

自分は何かしてあげられた距離にいたんじゃなかったのかと考え始めたらやりきれない。

あなたは、どんな過酷な状況下でも絶対に嘘をつかなかった。

今夜は早すぎた死を悼み、短すぎた生涯を惜しんで泣きます。

当分、毎晩泣きます。

そして、ずっと、決してあなたを忘れない。