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2012年07月04日

第2回 豊島農民福音学校レクチャーのごあんない

★豊島には全国から志の高い人があつまる学校がありました★

1回限定で5月に実施した豊島農民福音学校レクチャーを、好評につき、第二回目を開催することになりました。


今から70年以上前に東京農業大学から一足飛びに豊島の唐櫃の山に妻子と移り住み、豊島農民福音学校を開校した藤崎盛一(賀川豊彦の弟子)は、立体農業という、平地部だけを取り合う農業法ではなく、山地(立体地)を有効に素敵に活用することによって、バラエティに富んだ農作物や家畜を飼い、それをもとに、ケーキやパンを焼いたり、ジャムを作ったり、ハムを燻製したりする生活法のほか、哲学、学問、信仰などを学びながら、人生を豊かにする方法を説きました。

農業や生活からでた廃棄物もほぼ完全に大地に返し、次の実りの栄養とする等、完全なる持続可能な循環型農法だったそうです。

そこには全国各地から学生が集まり、寄宿舎で寝起きをともにし、学び、また故郷に帰っていったそうです。

この学校は1982年まで続きましたが、時代は、現代のような「循環型社会」という言葉はなく、むしろ、大型工場で作ったものを安く買い、捨て続ける、という価値観が蔓延していた時代の波に押されたこともあったのでしょう、閉校しました。

藤崎先生の息子さんが現在豊島の唐櫃自治会長をされていますが、前回のお人柄そのままの朴訥なレクチャーにリクエストがありましたので、お願いして2回目の開催となりました。

ご興味のある方は、ご参加ください。



***農民福音学校レクチャー****
日時:2012年7月28日(土)
   10時、豊島家浦港交流会館集合
   10時半〜12時半 レクチャー
   12時半〜14時 ランチ(実際に農民福音学校で作られていた献立の再現)
           あげそば、ロックケーキ、パン、果樹ジュースなど
   14時〜14時半 農民福音学校跡見学
   15時     解散(家浦港)
    豊島美術館や檀山などへこの後いらっしゃる方は、アクセス方法等ご相談に乗ります。

講師 藤崎盛清さん(唐櫃自治会長)
参加費 4000円(受講料、昼食代、送迎費込)
定員:10名(現在申し込み、9名)
主催:豊島農民福音学校Cafe
申込み先:栗生  090−4336−3104

※ 前回は、授業料1000円、ランチ代1000円と送迎代500円の合計2500円にしていましたが、実際にやってみると、レクチャーのために盛清さん(講師)はものすごい時間をかけて資料を調べ、原稿を作り、準備した刷り物や伸ばした写真だけを考えても経費がでなかったと思われること(ご本人は何もおっしゃらないのですが容易に推測できた)と、4姉妹総出での盛りだくさんのランチも少し値上げしたいと思い上記の参加費にいたしました。ご理解いただければ幸いです。

なお、福音学校跡まで別の方法でアクセスされる方は500円引きとなります。

写真は農民福音学校夏期合宿(女子)のときの一場面
第2回 豊島農民福音学校レクチャーのごあんない


こちらは、一回目に参加された方(文殊さん)の参加感想文です。

**************************以下感想文***********

 昨日5/12(土)、シャンタン、ブミカと3人で豊島に渡り、アーキペラゴの主催で行われた「農民福音学校」の足跡を辿るゼミに参加してきました。ぼくとブミカは、これが5度目の豊島訪問、シャンタンは初めての豊島体験でした……

 豊島の集落は、大きく分けると壇山という山を囲んでちょうど三ツ星のように3カ所に分散しています……せんだってあけみちゃんのワークが行われたのは西南の集落である甲生(こう)、今回のゼミは、北東の集落である唐櫃(からと)で行われました……この唐櫃には、あのすばらしい超近代的な豊島美術館があります。

 http://www.benesse-artsite.jp/teshima-artmuseum/

 ゼミが行われたのは、かつてこの地で「農民福音学校」が展開されていたその跡地ですが、唐櫃の高台にあって、眼下に、豊島美術館や唐櫃の港を見下ろすことができます。実に風光明媚なところです。今は、「農民福音学校」を運営されていた藤崎さんのご子息のご家族が住んでらっしゃる家屋の一室でゼミは行われました。

 「農民福音学校」の歴史を語ってくださったのは、設立者の藤崎盛一さんのご子息の方……訥々とした語り口のなかから、とてもとても大切な歴史が語られてゆきます……ここにもまたひとつ残しておきたい大切な豊島の語り部の語りがありました……。

 豊島に「農民福音学校」が設立されたのは、戦後間もなくの 1947年(昭和22)、全盛期には共同生活を行う研修生が50名を超える時代もあったとか……残念ながら1957年(昭和32年に納豆を醗酵させる小屋から出火して施設が全焼し、規模縮小を余儀なくされます。1982年(昭和57)の閉校まで、実に多くの人々が、この地で、キリスト教の愛の実践のスピリットを土台とする斬新な立体農業の実践学習のメッカとして機能を果たしていたのです。

 賀川豊彦氏の提唱による『農民福音学校』がスタートしたのは、1927年(昭和2)神戸の西宮でした。賀川豊彦氏の自宅6畳で、9名の参加者による旗揚げだったようです。続いて1933年(昭和8)東京に「武蔵野農民福音学校」が設立……時代は暗黒の時代へと向かって風雲急を告げるなか、時代の流れに拮抗しようとする必死のこころみのひとつでもあったようです……

 藤崎盛一氏が、豊島に導かれてきたのは、「豊島農民福音学校」が開かれるより前の昭和16年のこと……それまで島には存在しなかった乳牛を連れての来島だったようです。常識とは違いもっとも高いところで牛を飼い、その糞は肥料として再利用、尿はサイフォン式の噴霧器で下にある農園に自動的に撒かれる仕組みだったそうです。ミルクからはバターやチーズを、豚からはソーセージやベーコンを作り、ヒツジからは羊毛を採ってセーターを編む、ヤギもまた乳を搾るために飼われていたようです。

 また植樹に関してもクルミや果実など実のなる樹木を植林、、、、畑でとれたトマトはピューレをつくり、またパンやケーキなども焼くというスタイル。

 これらは商品として外部に売られるためのものではなく、あくまでも共同体の自給自足を目指してのもの……余剰産物は外部に売られることがあったけれど、主目的ではなかったようです。

 近代農法が単一作物の大量生産を主軸とする欧米をモデルにしているのに対し、こうした多角的な循環農法は、立体農業と呼ばれ、そのモデルはデンマークの国家再生プロジェクトにありました。立体農法はそれとは真逆の発想に基づくすぐれてエコロジカルであり、循環型であり、地産地消型であり、適性規模のコミューン指向と、今、模索されつつある農業のまさに先取りだったと言えるほどの水準を保っていました。

 この離島で4週間にわたる長期ワークショップが行われ、全盛時には50人を超える参加者が集っていたということの驚き……
 http://d.hatena.ne.jp/kagawa100/20101010/1287537387

 最近、テレビなどでも取り上げられ話題になっている「伊賀の里、もくもく手作りファーム」は、商業的なスタンスですが、立体農法が目指していたものの一部を反映しているように思われます。

 伊賀の里、もくもく手作りファーム
 http://www.moku-moku.com/
 
 
 藤崎さんの語りが一段落すると、庭に用意してあったビッフェ形式のお昼の時間……ここではかつて賑わっていたころの農民福音学校でのメニューが再現され、みんな舌鼓を打っていました……。これらのメニューは、当時の学校の食事メニューで育った4姉妹の思い出に従って再現されたのです。

 そしてその4姉妹をみると、なんと、あけみちゃんのワークのとき、片山邸の厨房をのシェフをやってくださった植松ルツ子さんの姿が、、、、ルツ子さんは四姉妹の末っ子……そうだったのか! あの豊島ワークのこころのこもった食事は、農民福音学校の精神を汲むものだったんですね。そしてあの美味しい美味しいイチゴを作ってらっしゃるのは講師の盛清さんの息子さんだったのです……

 藤崎さんの子供さんたちは、それぞれに「農民福音学校」の歴史を身をもって知る生き証人の方々なのです……久しぶりに四人姉妹そろって、昔の思い出話に花が咲いたとおっしゃっていたみなさん、ランチタイムのシェアリングのときには、涙ぐんでらっしゃり、もっともっと話たいことがあるとおっしゃっていました、、、、

 ぼくたちはこうしたみなさんの語りを聴き取るために、また近いうちに豊島に渡るつもりです……昨日、 片山邸に宿泊していたスタッフ3名(あけみちゃん、ぶみか、もんじゅ)に朝食を出していただいた植松さん(実は藤崎さんの四女)に、あけみちゃんの「戻っておいで私の元気」を手渡したところです……



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Posted by マロンアルファー at 20:14│Comments(1)豊島
この記事へのコメント
先刻、定員に達しましたので締め切らせていただきます<(_"_)>
内容にについては、また、このブログでどなかかの感想文を張り付けてご紹介したいと思います。
Posted by マロン at 2012年07月06日 15:57
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