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2012年10月25日

「生き方」を考える日。10月豊島ゼミのご案内

朝夕寒いくらいの秋深い毎日です。

今週末の豊島ゼミのご案内です。

自分や家族が暮らす愛する場所に、突然全国から大量の有害廃棄物が持ち込まれた。頼みの県も議会も県警も助けてくれないことがわかった。この時点で、これがあなたの住む町のことなら、どうします?

そして、自力で住民運動を始めた豊島住民。30年近くに亘る戦いの末に、絶望的と言われた行政の厚い壁を破り、勝利した。

全国広しといえども、権力に屈することなく勝利したケースは稀であり、最も保守的な県といわれた香川県にこのような我慢強く誇り高い人々がいたことを、まずは、おなじ香川県に住む人に、戦った戦士の生の声を聴いてもらいたいと思って、毎月、ゼミを続けています。

住民が苦しい戦いをしている間もこの事件に関する香川県民の関心は低く、不法投棄をした業者を摘発したのは香川県警ではなく兵庫県警であり、共に戦い苦楽を共にした筆頭弁護士は香川県の弁護士ではなく大阪の弁護士だった。そして、この事件に強い光を繰り返し当てて世に知らしめたのは香川のメディアではなく、東京のテレビ局のキャスターだったこと、、そして、今、この事件を、事件の上から色を塗りこめることによって、最も速い速度で忘却の彼方に押しやろうとしているのは、ほかならぬ香川県民のような気がします。


豊島事件は今日本で起きていることの縮図です。

この1年近くの間、ゼミには県外の方が宿を取って参加してくださることが続いています。
県内在住者であっても、それは他県から転勤してこられた方だったりします。
豊島のことに関心を持ってくださる方の範囲が他県にどんどん広がっていくことを喜んでいると同時に、引き続き一人でも多くの県民の方のご参加を心待ちにする次第であります。


今月のゼミの詳細です。



実施日:2012年10月28日(日)

集合場所:  10時 豊島家浦港桟橋付近(高松からは9時7分発の高速艇が便利です。宇野からの直近の便は9時15分着になりますので、交流会館などで少しお待ち合わせいただくことになります。)
こちらの表をご参考になさってください。

参加費:3500円(内訳:2000円は住民会議へ資料代・バス代・ガイド料として、500円は午後からの授業料として、1000円は昼食代として)

スケジュール:
10時 砂川さんと桟橋で会う  現場へ出発(車)
12時すぎ 砂川さんの話終了
12時半~13時半 ランチ&振り返り会@片山邸(泉屋) 炎の料理人細川学が豊島の野菜を使って作ったおかずを並べます。
14時~17時 石井ゼミ(檀山の頂上から縄文海進の頃までさかのぼり豊島をひも解き、水をテーマにレクチャーをしながら島中を回ります)
17時 家浦港解散


申込先: sinrincafe@gmail.com または、090-4336-3104 栗生(アーキペラゴ・理事)までどうぞ。

こちらは、9月の豊島ゼミに参加くださった方の感想文です。
こうしたストレートなレポートをもらうと、やってて良かったなと感じることができます。

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【前回の参加者からのレポート】

今日は私にしては珍しくちょっと長文です(笑)

高松の住民になって、ちょうど丸2年になろうとしています。
ただ香川についてはまだ知らないことばかり。そのことを今日痛感しました。

高松港から高速艇で1時間弱のところに「豊島(てしま)」という島があります。
通称「豊島問題」といい、非常に有害な産業廃棄物による公害で30年以上と
いう長い期間、島民が苦しめられてきたこと(いること)で有名な島です。

現在は香川県との間で公害調停が成立し、300億円という莫大なコストをか
けて、汚染土壌の処理作業が進んでいる最中です。
今日はその住民運動の筆頭で活躍されていた(いる)生き証人である砂川三
男さん(84)に直接お話を聞く機会に恵まれました。

本来は行政(香川県)が監督すべき義務を放棄し、業者の犯罪行為を取り締ま
るべき警察(香川県警)さえ職務放棄をし、議会(土庄町長、町議会議員)まで
も知らぬフリをしていたおかげでここまで長引いたことは明らかです。

そして自衛のために自分たちが立ち上がるしかなかった住民に対して、「金が
欲しいんだろう」と言い放った知事(真鍋知事)、「彼らは気が狂っている」と蔑
んでいた県職員、事実を知ろうとさえせず手を貸すことはおろか知らぬフリを
決めていた香川県民たち。そして、この問題が知られたら今度は島の特産物
である農産物に対する風評被害…。

ただの被害者に過ぎず、助けを求めている自分たちがなぜここまで四面楚歌
に会い苦しまなければならないのか、そんな切なくも激しい感情が砂川さんの
言葉の端々から垣間見えました。そして福島原発はじめ、この問題と通ずるこ
とがこの国にはなんと多いことかとも。

来年2013年は瀬戸内芸術祭で島巡りをされる方もいらっしゃると思いますが
そんなことも頭の隅に入れながら豊島の地を歩いてみてはいかがでしょう。
今回のお話を主催したのはNPO法人「アーキペラゴ」というところです。興味の
ある方はどうぞ。
http://www.archipelago.or.jp/outline/teshima-seminar.html

最後に、調停後2周年に詠まれたという詩を転載させてもらいます。

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お天道様はみてまっせ

六年半にわたる公害調停
誰からともなく口をついて出る言葉
「お天道様はみてまっせ」
悪いことをして決して許されるはずはなく
そう「お天道様」だけは
本当のことを知っていると信じて歩み続けた

そして豊島の人はよく泣いた
涙は一生懸命汗して歩んだときひとりでに溢れてくる
そんな泣き虫に沢山の人が声援を贈ってくれた
「お天道様」は悪いことを許さなかった
「お天道様」は汗の数だけ涙をくれた
そして涙の数だけ喜びが溢れた
「お天道様」はいつも見ている

時々私たちは負けそうになる
ほんのちょっと「ずる」をしたい
だれも自分のことを分かってくれない
そんな心の隙間を「お天道様」は
固唾をのんで見守っている

汗が乾いたら泣き虫じゃない
でも、涙が乾くと
胸の奥が痛むのはなぜだろう
昨日は通り過ぎ
明日はまだこない
再び帰る今日もない
だから見えない明日にむかって歩き出す
泣きたいときは思いっきり泣けばいい

「お天道様はきっとどこかでみてまっせ」



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Posted by マロンアルファー at 11:37│Comments(0)豊島
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