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2008年05月10日

雨の冷たさと、人の暖かさを知った日

構想1週間、プロポーズ7ヶ月、概要の詰めに3ヶ月、PRに2ヶ月を費やした企画「肥土山農村歌舞伎四国村公演」が、終わった。

けが人こそいなかったけど(たぶん)、終日雨が降った。

「正午に警報が鳴らなければやります。」というポリシーを貫いて、朝から続く肥土山やお客様から確認の電話に「やります」と通してしまったけれど、主催者としてこれで良かったのかどうか、お昼に肥土山の人たちが到着して舞台を組み始めて悩み始めた。

前日夜の降水確率が何パーセントなら中止とか翌日に延期とか、いろいろやりようはあったけれど、晴れると信じていたから、最悪の事態を考えて企画したつもりでも、そこのところのリアリティが足りなかったと思い知らされることになる。



もう後にはひけないと覚悟を決めながら、自分のわがままで、たくさんの人を冷たい雨の中での作業や観劇に巻き込んでしまった。


こんなお天気では、きっと自分なら、いくら前売りチケットを買っていても会場にはいかないだろうなあと予想できるので、実際に観劇してくださるお客様は何十人かいらしたら良いほうだろうな、と、予想していたのに、始まってみたら、雨足が時として強まる中、目算では250人もの人が座ってくれ、そのうち、何枚かはなんと当日券のお客様だということがわかりちょっと吃驚。

幕上の前に、挨拶のために保存会会長と一緒に舞台に立った瞬間、たくさんのお客様の姿が目に飛び込んできたときには、ありがたくて、心が震えた。

役者さんの迫真の演技に、お里の恋が霧と散った、いがみの権太が「いとしやととさま」と声を絞り出す演技に涙が溢れた。

帰り際に、「雨は降っちゃったけど、すごくよかったわよ。おつかれさま」と見知らぬ老婦人に声をかけてもらい、仲間やともだちには口頭やメールで言葉をかけてもらった。

どんどんと気持ちが暖かくなる。



快く茶席を引き受けてくれた人たち、休日返上で囲炉裏番をしてくれた人たち、総勢30人の大部隊になってしまった漫遊帖を仕切ってくれた人たち、宿題のできていない中終日側にいて献身的ともいえるアテンドの極意を身をもって示してくれた人、利益などほとんどないとわかっていながらワインや珈琲の屋台につきあってくれた人たち、私と知り合ってしまったばかりにチケットを引き受けることになって多くを売ってくれた課長、取材やPRに全面協力してくれたマスコミの人達、家族総出でお弁当を各所に届けてくれた人達、見えないところでたくさんの準備や緊急の対応に走り続けてくれた四国村の人たち、はるばる大阪から両手いっぱいのお土産をかかえて来てくれた人達、大変な中そのお客様を塩江から迎えに来てくれた女将、小豆島から舞台道具を満載にしてやって来てくれた大道具さんや裏方さん、役者さんたち、冷たい雨の中、じっと舞台を観てくれたお客様、そして敬愛する師匠や恩人や友人。

感謝の言葉がみつかりません。


ほんとうに、ありがとうございました。




※でも、今後あの舞台をつかう時は、雨天延期を念頭に置き企画できれば企画する、または、雨天でできないものは企画しない、ことに決めました。



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Posted by マロンアルファー at 23:08│Comments(16)四国村
この記事へのコメント
お疲れ様。
よかったね。
Posted by ももどん at 2008年05月10日 23:13
あの雨の中、あれだけのお客様が カッパを着て または傘をさしてまで
じっ~と 舞台に集中されていました。すごいことだと 私も感動しました。

準備 後片付け いろいろ大変でしたね、本当にお疲れ様でした。
そして あの素晴らしい舞台と それに携わった方々に感謝です。
Posted by LindaLinda at 2008年05月10日 23:30
お疲れさまでした

マロンが なぜ 肥土山歌舞伎を四国村にもってきたかったか、あの舞台をみてわかりました。

帰りの車のなか、舞台には一家言も二家言もある天涯氏も私も、素直に、そして興奮ぎみに 素晴らしかったと話し、それは車をおりるまで続きました。

雨への対応も いろんな準備不足も 、問題点は残ります

だから、全てに100点をつける気はないけれど

あの歌舞伎を、四国村に運ぶために動いたマロンの熱意と行動力と
まっすぐ前に進みつづけた姿勢に敬意を表します

私たちに肥土山歌舞伎を運んでくれて ありがとう!
Posted by るいまま at 2008年05月10日 23:40
おつかれさまでした。
雨中でも、楽しかったよ!!
Posted by ウサ主人 at 2008年05月11日 00:01
自分は行けなかったけど、みんなが画像を送ってくれるのを見て・・・マロンちゃん。 頑張ったね!
Posted by マイト at 2008年05月11日 02:38
昨日は学校行事などあり、行けなくて残念でした(::)

たくさんのお客様だったようですね。

マロンさん本当にお疲れ様でした☆
Posted by クリスティーヌ♪ at 2008年05月11日 06:20
お疲れ様~~ほんま昨日は寒かったなあ>_<!
Posted by シネマ大好き娘 at 2008年05月11日 06:33
楽しめたから大丈夫!
ちゃんと雨天時の想定ができるように、経験値もあがったし!!

うちくは二年前の公演の時大雨で雷まで鳴って…(うちの小屋も野外やからなぁ)そんとき見に来たお客さんの気持ちがわかった気がする。

それに、仕切る立場は大変だけど、とても良い舞台で良いひとときだったと思うよ♪

また、毎年秋には香川第一中学校の生徒がやってます。
まだまだ未熟だけど、あの舞台でやれるのは特別だから、経験値をこちらも上げさせてもらってますよ!!

ありがとう…そしてお疲れさまでした。
Posted by 秀一郎 at 2008年05月11日 08:17
正直すごくよかった。雨のおかげで客席の集中力が高まり、役者にもそれが伝わった熱演で。出演者と観客がより一体感を持てたみたい、舞台はお客が作るという言葉を思い出しました。ここまで皆をひっぱってくれたマロンさんの情熱に脱帽。テンパってる中チケットの件もありがとうございました。
Posted by 極楽 at 2008年05月11日 16:15
初めての投稿です。

雨の中、多くの方々に感謝!!
大道具方、役者、その他裏方衆に感謝!!
大変お世話になった四国村のスタッフの方々に感謝!!

企画・立案・プロデュースに突っ走ったマロン嬢に心から感謝です。
約半年間、プロポーズに少しは答えられたかナ?

【肥土山人の感想】
あの状況下で、熱心に最後まで観劇していただき、役者冥利につきました。
暖かい拍手、熱い視線に気持ちよく力をこめて演じられた。
とのこと。
   
大変でしたが楽しい1日でした。
色んな経験をしましたが、雨の歌舞伎もまた酔狂だったかも?
ただ、今日の天気はうらやましーい・・・・・・・・・
Posted by 團 at 2008年05月11日 19:52
雨の中の 野外劇場
見る人も 演じる人も
心がなければ 成立しません
残念ながら その場に居られなかったのが
残念!
その日 その時は 人生でたった一度
皆さん 素晴らしい時を過したのでしょう
その素晴らしさを提供できた マロンさんに
乾杯!
Posted by 柴犬 at 2008年05月11日 21:45
ももどん
ありがとう


Linda
舞台の良さお客様の良さ、それと対照的な天気の酷さ、なんというコントラストでしょう。
あの経験を次のステップに活かすことができるようにしたいと思います。
極寒の雨の中で最後まで芝居を観てくれて本当にありがとうございました。


るいまま
いろいろな所に私の詰めの甘さが露呈して迷惑をかけましたが、肥土山歌舞伎を四国村で上演に持ち込みたいという妄想を口にした時から、ままには陰に日なたに力をもらいました。
あの後押しがなければ諦めていたかもしれません。
いろんな意味で、ありがとう。


ウサ
一口に移動珈琲店といっても、究極まで熟考された準備や段取りがあるのだなあと、ウサの道具の一つ一つをみて感動していました。
寒い中、多くのお客様にとびきり美味しい暖い珈琲を出してくれて、ありがとう。
お願いして、良かったです。


マイトさん
ありがとうございました。
マイトさんはお肉がついていないのでいっそう寒さが堪えたと思われます。応援ありがとうございました。


クリスティーヌ
ありがとう。
学校行事も雨のなか、お疲れさまでした!


シネマ
ほんまに寒かった。


秀一郎
赤ちゃんを預けて旦那様と来てくれてありがとうございました。
漫遊帖の場所案内が悪くて、迷わせてしまったことやその他いろいろ迷惑をかけたと思いますが、最後まで観てくれて嬉しかったです。
次は秀一郎の芝居を楽しみにしています。
相棒にもよろしくです。


極楽パパ
何よりの癒しのお言葉、ありがとうございます。
脇から目に飛び込んできた舞台と客席の様子は異様なまでの密着感を感じました。
平家の人が、観に来ていたのかもしれません。


團さま
どこの馬の骨ともわからない私よりの最初の電話に、暖く丁寧に答えていただいてから、1年間、一緒に走りつづけてくださって本当にありがとうございました。
雨の中、肥土山の人がトラックとバスで到着した!と連絡をもらって不安な気持ちのまま、急いで入り口まで下山し、36人の役者さんや裏方さんが降りてこられたところを目にした瞬間、すごく強い陽性のエネルギーを感じました。一人一人が肥土山歌舞伎一座にいることを慶び、誇りをもって、お互いを信頼し大切にしあっている空気が充ち満ちていて、ああ、良い方々とご縁ができたんだなあ、と雨の中じんわりと嬉しくなりました。
300年の間、年上は年下を、年下は年上を大切に思う心が脈々と受け継がれ、さらに團さんという素晴らしいリーダーがいる、理想的な集団だとよくわかりました。
頂戴したコメントの中の「役者冥利に尽きる」という言葉で、自分がしてきた全ての苦労(でもありませんが)は、一瞬にして報われました。
これに懲りる事なく、末長くおつきあいご指導賜われればと願っています。
本当にありがとうございました。


柴犬さま
宝物のようなコメントを、ありがとうございます。
本当におっしゃるとおり。
あの場所にいた人びとにはすべて心があったと思います。
野外劇場で何かをするということは、こういうことなんだ、ということを、一気に勉強させてもらったように、振り返れば思える、素晴らしい1日でした。
雨も企画の仲間にいれた状態で、今後は考えていきたいと思っています。
引き続きご指導を頂戴できれば幸いです。
Posted by マロンアルファー at 2008年05月12日 09:11
本当に良かった!!

あの空気感、いいですねぇ。
始まる前から舞台とまわりの雰囲気に感動し、
始まってからは役者さんたちに感動し、
終わってからも感動し、
良い一日にでした。

雨の中、
着物で観劇されている若い女性がいて、
それにも感動。
姿勢を正して、熱心に舞台を見つめていらっしゃいました。

マロンさんの応援者は素敵な人たちばかりですねぇ。
マロンさん、お疲れが出ませんように。
Posted by akari at 2008年05月12日 09:17
あいにくの雨模様でしたが、そんな中たくさんの方が
見にいらしてくださったようで、本当に良かったです。
マロンさんも、お疲れさまでした。
また秋の農村歌舞伎でお会いしましょう♪
Posted by Olive at 2008年05月12日 15:38
あの雨に寒さに断念してしまった私ですが
みなさんの感想を見ていて
本当に残念な選択をしてしまったのだなぁ
と思うのです。

自分で何かをするということは
とてもエネルギーが必要です。
でも関わってくれる人たち(お客様も含め)皆様から感動のエネルギーをいただけるものです。
やってよかった!
見れてよかった!
それだけでもまた次への力となります。

あれがだめ、これがだめ
でもそれが次の教訓となり糧となるのです。


何事にも全力投球なマロンさん。
まだまだやりたいこといっぱいあると思います。
陰ながら応援してますよ〜
Posted by みっけ at 2008年05月12日 18:21
akariさん
いつもいつも私のドタバタ冒険におつきあいを戴いていることに感謝です。
お芝居の時に少しでも雨足が弱まってくれないか後ろから客席を眺めていましたが、微動だにせずに観劇してくださっているお客様を観て、私は感動していました。チケットを買ってくれる段階、雨で出かけることを決意してくれる段階で、自然と篩にかけられたような、素晴らしいお客様でした。
本当にありがとうございました。



Oliveさん
コメントありがとうございます。
小豆島で観たお芝居とはまた一味違う良さがありました。
いつかまた四国村でするときは、是非お越しくださいね。


みっけ
本当にそう。これまでの人生でこれほど他人の暖さを感じた日はありませんでいした。
自分ひとりでは、とっくにめげて逃げていたと思います。
雨がなければあれほど人が暖いとは思わなかったかもしれません。
応援ありがとうございました。
これからも、よろしく。
Posted by マロンアルファーマロンアルファー at 2008年05月12日 19:44
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