2010年12月31日
10年越しのプロポーズ 太田篤備前作陶展「土と炎と形」
備前の里、西須恵というところに、太田篤という備前焼の作家がいます。
20年余前、「うまげな作家を見つけたきん、お前も一緒に行くか?」と父に誘われて、瀬戸大橋をわたって陶房を訪ねたのが最初の出会いです。
その頃丸亀城の堀畔には、「藍也」という、当時はまだ珍しかった倉を改造したカフェとギャラリーがあり、そこの女主人で、善通寺の造り酒屋のお嬢さんと、父と、3人で尋ねました。
まだ30代前半だったと思われる太田氏は、すでに新進気鋭の作家として、内外に名前が売れ、コシノヒロコさんなどを中心とした中央で活躍するデザイナー達に愛される作品を多数作っていました。
太田氏の作品は、備前焼の持つ素朴さや、炎のみが知る自然の模様の神秘さとともに、特に高台などに彼の繊細さ、優しさが滲み出ている作風で、その独特の手触り、風合い、品格が多くの人を魅了していたように思います。
しかし氏は、そんな作品からは創造がつかないような、ギャグの塊のようなお人柄の持ち主で、アトリエで腰掛けて、氏が手づから淹れてくれたコーヒーとお菓子をいただきながら、皺が15本くらい増えるほど、笑い続けなければ帰れない時間を、もらって帰りました。
その後、氏のお人柄と作品に魅了されて、職場の同僚などと何度か尋ね、今も愛用しているコーヒーカップや、サーバーなどの身の丈サイズの価格のものを選んで、買って帰ったりしていました。
何度か行っているうちに、太田氏のお父上とお目にかかる機会があったのですが、この方は篤氏の何倍ものギャグの塊な人でした。いろいろ聞いていると、かつらべかこ等がネタをもらいにお父さんのところを度々尋ねていたとのこと、「出汁は取っても、弟子はとらん」という名せりふ(?)もこのお父さんが与えたものだったとのこと。太田氏のギャグの才能は遺伝だったのだとわかりました。
そんな頃、友人の恵子ちゃんと、三越の駐車場でばったり会いました。彼女は、元ミス瀬戸大橋という華やかな経歴とは真反対とも思える、おとなしくて、頑固で誠実で、思慮深い、世にも美しい女性でしたが、ミスの任期を終えた翌年に、「せっかく無職になったのだから、長年やりたかったことをしたいと思って」ある磁器作家の弟子として修行を始めたところでした。
しかし、長く立ち話をするうちに、「本当は絵付けではなくて、焼き締めを勉強したい」ということを打ち明けてくれました。
そこで、ピンときてしまった私は、「恵子ちゃん、岡山行こう、岡山!」とせきたてて、もう一人の友人と一緒に、車で瀬戸大橋を渡りました。
自分から「こうしたい」とあまり意思表示をしたのをみたことのない彼女でしたが、3人で尋ねた陶房から帰った後電話があり、「どんなに厳しくてもいいから、あそこに弟子入りしたい」と言い始めました。「だったらトライしてみようよ」と盛り上がりました。後は自力で、彼女は太田氏のもとに通いつめました。最初は「わしは、弟子はとらんことにしとるんじゃけど」と難色を示していた氏でしたが、結局彼女の熱意に折れて受け入れ、交通費も自費、もちろん給料なんかはなし、の条件の下、彼女は長年、弟子として、飯山から通いとおしました。
以前から、時々太田氏のアトリエを訪れていたコシノヒロコさんは、彼女を見て、「こんなにひっそりと、師の影を踏まないようにしながら、まじめに働く、こんなに綺麗人をみたことがないわ」と思い、「どちらも独身でもういい年の二人をなんとか一緒にできないものか」と画策され、最終的には少々強引な(?)キューピッド役となり、二人の縁結びを成功させました。
岡山の鬼ノ城ゴルフクラブでの、コシノヒロコさんプロデュースの太田先生と惠子ちゃんの結婚式は、オリジナルでユニークでとてもとても暖かいものでした。その後、太田夫妻のもとには、主に関東から、著名人が訪れ続けているようですが、恵子さんの「気の毒なくらい誠実なお人柄」は、そのままです。
先日、久しぶりに、2児の母となった彼女より連絡があり、年末年始に、灸まん美術館で、下記の展覧会をすることになったので、来てほしいとお誘いを受けました。
美しい葉書も複数部送ってもらいましたので、ここにご案内申し上げます。
お正月に琴平近辺に初詣などにお出かけの方は、灸まんうどんでお腹を暖めて、是非ともお出かけください。確か、カフェも併設されていたと思います。
太田篤備前作陶展「土と炎と形」
記
日時:2010年12月31日(金)~2011年1月4(火) 9時~17時(最終日は15時まで)
場所:灸まん美術館 (善通寺市大麻町338 電話0877-75-3000)
陶房:瀬戸内市西須恵1212 電話 0869-26-4649
20年余前、「うまげな作家を見つけたきん、お前も一緒に行くか?」と父に誘われて、瀬戸大橋をわたって陶房を訪ねたのが最初の出会いです。
その頃丸亀城の堀畔には、「藍也」という、当時はまだ珍しかった倉を改造したカフェとギャラリーがあり、そこの女主人で、善通寺の造り酒屋のお嬢さんと、父と、3人で尋ねました。
まだ30代前半だったと思われる太田氏は、すでに新進気鋭の作家として、内外に名前が売れ、コシノヒロコさんなどを中心とした中央で活躍するデザイナー達に愛される作品を多数作っていました。
太田氏の作品は、備前焼の持つ素朴さや、炎のみが知る自然の模様の神秘さとともに、特に高台などに彼の繊細さ、優しさが滲み出ている作風で、その独特の手触り、風合い、品格が多くの人を魅了していたように思います。
しかし氏は、そんな作品からは創造がつかないような、ギャグの塊のようなお人柄の持ち主で、アトリエで腰掛けて、氏が手づから淹れてくれたコーヒーとお菓子をいただきながら、皺が15本くらい増えるほど、笑い続けなければ帰れない時間を、もらって帰りました。
その後、氏のお人柄と作品に魅了されて、職場の同僚などと何度か尋ね、今も愛用しているコーヒーカップや、サーバーなどの身の丈サイズの価格のものを選んで、買って帰ったりしていました。
何度か行っているうちに、太田氏のお父上とお目にかかる機会があったのですが、この方は篤氏の何倍ものギャグの塊な人でした。いろいろ聞いていると、かつらべかこ等がネタをもらいにお父さんのところを度々尋ねていたとのこと、「出汁は取っても、弟子はとらん」という名せりふ(?)もこのお父さんが与えたものだったとのこと。太田氏のギャグの才能は遺伝だったのだとわかりました。
そんな頃、友人の恵子ちゃんと、三越の駐車場でばったり会いました。彼女は、元ミス瀬戸大橋という華やかな経歴とは真反対とも思える、おとなしくて、頑固で誠実で、思慮深い、世にも美しい女性でしたが、ミスの任期を終えた翌年に、「せっかく無職になったのだから、長年やりたかったことをしたいと思って」ある磁器作家の弟子として修行を始めたところでした。
しかし、長く立ち話をするうちに、「本当は絵付けではなくて、焼き締めを勉強したい」ということを打ち明けてくれました。
そこで、ピンときてしまった私は、「恵子ちゃん、岡山行こう、岡山!」とせきたてて、もう一人の友人と一緒に、車で瀬戸大橋を渡りました。
自分から「こうしたい」とあまり意思表示をしたのをみたことのない彼女でしたが、3人で尋ねた陶房から帰った後電話があり、「どんなに厳しくてもいいから、あそこに弟子入りしたい」と言い始めました。「だったらトライしてみようよ」と盛り上がりました。後は自力で、彼女は太田氏のもとに通いつめました。最初は「わしは、弟子はとらんことにしとるんじゃけど」と難色を示していた氏でしたが、結局彼女の熱意に折れて受け入れ、交通費も自費、もちろん給料なんかはなし、の条件の下、彼女は長年、弟子として、飯山から通いとおしました。
以前から、時々太田氏のアトリエを訪れていたコシノヒロコさんは、彼女を見て、「こんなにひっそりと、師の影を踏まないようにしながら、まじめに働く、こんなに綺麗人をみたことがないわ」と思い、「どちらも独身でもういい年の二人をなんとか一緒にできないものか」と画策され、最終的には少々強引な(?)キューピッド役となり、二人の縁結びを成功させました。
岡山の鬼ノ城ゴルフクラブでの、コシノヒロコさんプロデュースの太田先生と惠子ちゃんの結婚式は、オリジナルでユニークでとてもとても暖かいものでした。その後、太田夫妻のもとには、主に関東から、著名人が訪れ続けているようですが、恵子さんの「気の毒なくらい誠実なお人柄」は、そのままです。
先日、久しぶりに、2児の母となった彼女より連絡があり、年末年始に、灸まん美術館で、下記の展覧会をすることになったので、来てほしいとお誘いを受けました。
美しい葉書も複数部送ってもらいましたので、ここにご案内申し上げます。
お正月に琴平近辺に初詣などにお出かけの方は、灸まんうどんでお腹を暖めて、是非ともお出かけください。確か、カフェも併設されていたと思います。
太田篤備前作陶展「土と炎と形」

日時:2010年12月31日(金)~2011年1月4(火) 9時~17時(最終日は15時まで)
場所:灸まん美術館 (善通寺市大麻町338 電話0877-75-3000)
陶房:瀬戸内市西須恵1212 電話 0869-26-4649
Posted by マロンアルファー at 15:13│Comments(1)
│世界へ発信したい人DB
この記事へのコメント
こんばんは。本日は太田篤さんの備前作陶展にお誘いいただき、ありがとうございます。
ガス欠寸前でたまたま立ち寄ってくださった私のお店で、お隣の美術館で開催されているからとお誘いいただきました。本日が最終日だからとすぐさま見学に参りますとマロンアルファーさんは、太田篤さんや奥様と歓談中でしたね。たまたま先にマロンアルファーさんが署名されたことと、お話しの中で私と同い年だと知り、ひょっとしてと尋ねたら、マロンアルファーさんが、学生時代の部活の同期生でした。ビックリ!!
全くの偶然が重なって、懐かしい友に再会できたこと、とてもうれしいです。お車からの香りが香水 Mitsoukoかなと感じたことが、マロンアルファーさんとの会話の始まりで、それをきっかけに備前作陶展に誘ってくださりました。
本日の「縁」に感謝しつつ、こちらのブログも立ち寄りますね。
ガス欠寸前でたまたま立ち寄ってくださった私のお店で、お隣の美術館で開催されているからとお誘いいただきました。本日が最終日だからとすぐさま見学に参りますとマロンアルファーさんは、太田篤さんや奥様と歓談中でしたね。たまたま先にマロンアルファーさんが署名されたことと、お話しの中で私と同い年だと知り、ひょっとしてと尋ねたら、マロンアルファーさんが、学生時代の部活の同期生でした。ビックリ!!
全くの偶然が重なって、懐かしい友に再会できたこと、とてもうれしいです。お車からの香りが香水 Mitsoukoかなと感じたことが、マロンアルファーさんとの会話の始まりで、それをきっかけに備前作陶展に誘ってくださりました。
本日の「縁」に感謝しつつ、こちらのブログも立ち寄りますね。
Posted by TOMY at 2011年01月05日 00:07
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